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長繊維事業

ナイロン糸原料から加工まで

1.糸原料の仮撚り加工

仮撚りとは

主にポリエステル、ナイロンに代表される長繊維に嵩高性(かさだかせい)を持たせるために、一旦撚りをかけた糸に熱を加え、また撚りを戻す工程を連続で行う加工のことです。

この加工を行う事により、ウーリーな風合いを持たせストレッチを出します。

撚りを入れた後に撚りを戻す加工を行うため、糸は無撚りの状態になり、仮に撚りを入れる事から「仮撚り」と呼ばれます。

仮撚り加工中の様子

 

アビラスのナイロンを加工する撚糸工場

仮撚り加工の方式はの2つの方式があり、弊社ではスピンドル方式仮撚機(低速機)を採用しております。

○ 仮撚り加工方式の違い

  1. スピンドル方式仮撚機(低速機)・・・風合いがソフト、伸縮性(ストレッチ性)が抜群。大量生産は不向き。
  2. フリクション方式仮撚機(高速機)・・・高速加工のため生産性は高い。風合い、伸縮性はスピンドル方式より弱い。

生産性ではフリクションタイプ仮撚り機が優れますが、特化した物性を持つ仮撚り加工糸の生産には向いておらず、ピンタイプ仮撚り機ではソフトな風合い及び優れた伸縮性を持つストレッチ糸などの特殊物性加工が可能となります。

○ 仮撚り加工の仕組み

この箱の中を糸が通過し熱が加えられながら撚りが加えられる。
ピン(サファイアガラス等で作られた回転子のこと)という回転子を使い、この回転子に糸を巻きつけ、回転子を高速回転させます。撚りの入った糸がヒーターで約180度の熱を加えられ、ピンを通過することで糸が入ってきた時と逆の撚りをかけられる事で撚りを解除します。
* 5cmほどのピン(正式名称 スピナー)の画像。この部品が「撚り」と「逆方向の撚り(=解除)」を行う。

この仮撚りという工程により、糸が柔らかくフワッと膨らんだ状態になり嵩高性が生じます。これをウーリー加工(嵩高加工)と言います。

○ まとめ

仮撚り後の合撚加工

○ 仮撚り加工した糸を合撚する

ダブルツイスター機(合撚機)

S撚りとZ撚りの方向性がついた2本の糸が引き揃えられた状態の糸(=仮撚りされた双糸の糸)を合撚するダブルツイスター機。

 

綛の状態にする

合撚加工した糸を綛(カセ)機にかけて、染色工程と巻き工程のために綛(カセ 英:HANK)にしている所。

予め決められた重量の綛になれば機械は停止し、アビラスの基準に沿って110/2、70/2、50/2、30/2全ての糸で重量の誤差±5gで統一しています。

綛には季節、天候を考慮して加湿器により数日間の湿度が加えられ、加湿により仮撚り工程を経たばかりで不安定な状態の糸は数日の時間をかけて湿度を吸い、風合い、伸縮性などウーリーナイロンの性質が安定し、綛ひとつひとつが均一化した品質の綛が出来上がります。

 

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